サラリーマンの息苦しさの理由がわかる『魂の退社』

日本は会社を中心に回っている。

税金も会社を通して給料から徴収しているし、ローンの審査やカードの審査も会社勤めでないと通りづらい。安定した収入がないと判断されるからだろう。

著者の稲垣さんが退職することを話すと、ほとんどの人が驚くというエピソードが書かれていたが、それほど日本では会社勤めがあたりまえとされているということだろう。

サラリーマンとして会社に勤めるのがあたりまえとされていて、そこで生きていくことにぼくは息苦しさを感じる。

今までは漠然としたものだったけれど、『魂の退社』という本を読んで、その理由がわかった気がする。

サラリーマンが息苦しいのは常に競争させられるから

就職するために必死にアピールして、会社に入る。

そこで一休みできるかといえばそうでもなく、入社してからは、先輩や上司から評価され、同期と比べられる。

それでもはじめのうちは可愛いものだ。たいした差はつかない。だけれど、ある程度勤続年数を重ねていくと、出世競争がはじまる。

そんなもの気にしないと思っていても、同期が昇進し、上司になっていく。自分だけが取り残されるのではないかと焦る。後輩が上司になることもあるかもしれない。

取り残されれば、職場では段々と居心地が悪くなっていく。だから、そうならないように「必死に食らいついていかなければ」という気持ちにさせられる。そうやって評価に怯え、顔色を伺って不安になっていく。

会社は人を査定し、上下関係をつくる。

望んでいなくても競争の舞台に乗せられ、競い合わされる。

サラリーマンが息苦しいのは人生が給料に依存しているから

安定して給料が振り込まれるのは、とても有り難い仕組みだ。

ただ、現代には誘惑が多すぎる。小さい頃から広告に欲望を植え付けられ、ぼくたちは「人並みの幸福」という幻想を追い求めるように洗脳されている。

つい、給料でできる最大限の生活を求めてしまう。

極めつけは、もはや買うのがあたりまえになった夢のマイホームだ。

35年もの長きに渡って返済するローンを組んでしまえば、返済を給料に依存しているために辞めたくても辞められない。身動きが取れずに耐えるしかなくなってしまう。

サラリーマンが息苦しさを解消するためにはどうしたらいいのか

勤め人が息苦しさを感じる理由は、先に書いた。

競争させられ優劣をつけられるから

そして、給料に人生を握られているから

その息苦しさを解消する方法は、会社への依存度を下げることだ。

競争の結果を気にしてしまうのは、優劣によって自分の立場が揺らいでしまうからだ。それによる給料への影響もあるかもしれない。給料に生活を握られ、会社にいなければ生活ができないからだ。

だけど、生活コストを見直したり、別の収入があったり、十分な資産があって、会社にしがみつく必要がなくなれば、上司の顔色を伺う必要もないし、競争の結果に一喜一憂することもない。そもそも競う必要もなくなる。

とはいえ、いきなり十分な副収入ができたり、資産が手に入るわけではない。だけど、これは0か1かという話ではない。

会社への依存度を下げていけば、グラデーションを描くようにどんどん息苦しさは解消されていく。

ぼく自身の実感として、毎月のカードの支払いに追われていた昔よりも、貯金も段々と溜まってきた今の方が気分も軽い。

『魂の退社』では、稲垣さんが、生活が変わった時に、「生きていくのに必要なお金はそんなに多くない」と気づいたエピソードが書かれていた。

もらった分だけ使う生活をやめて、生活コストを下げれば、その分だけ自由が増す。

給料に基づいて生活を設計するのではなく、給料と生活を切り離す。

これが大切なことだと思った。

誰かがつくった価値観ではなくて、本当に自分に必要なものだけを選び取っていけば、生活はシンプルになって、人は、どんどん自由になっていくのかもしれない。

それではまた。

今日も前進は続いていく!

ミギマワル

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