憎悪とともに歩いていく【ダークフォース】

憎悪というギフト

ツラい体験は、ときに人に絶望を抱かせる。

僕自身も過去にそういった経験がある。
(絶望の中にいる人、特に失恋してツラい人はこちらの記事も読んでみてほしい。)

ただ、2度と味わいたくないこうした苦い体験も、悪いことばかりじゃない。

なぜなら、強烈な体験はそれだけ強い感情を引き起こすからだ。

そして、人間の感情には必ず役割がある。

それは、負の感情であってもだ。

その中でも今回書く『憎悪』の感情は、とにかく息が長く、過去を思い出すたびに嫌な気持ちを湧き上がらせる。
さながら炭のように、延々と。これがいい。

憎悪みたいな強い負の感情は、得ようと思って得られる感情じゃあない。
ある意味、これはギフトだ。

なぜ不快な感情であるはずの『憎悪』がギフトなのか。

それは必要によって生み出され、人生を進めるための強力な力となるからだからだ。

憎悪を胸に抱いた人に向けて、それを活用して人生を拓いていく方法を書いていきたい。

強い感情には、相応のパワーがある

憎悪は延々と胸の内で燃え上がり、事あるごとに思い出される。

その度に嫌な感情が蘇るのは、確かに気持ちのいいものではないけれど、不快感を消し去るためには行動せざるを得ない。(行動せざるを得ない理由は後ほど解説する。)

断言できるが、憎悪に対して、じっと耐えてうずくまっていても仕方がない。
嫌な気持ちは晴れないし、頭の中でツラい記憶が反芻されて、どんどんと暗く危険な気持ちになる。

それは負の感情の使い方を誤っている。

感情には必ずなにか役割がある。

負の感情であっても、それは同じだ。
人間にとって必要な機能だからこそ、今もこうして残っている。

では、負の感情、ここでは『憎悪』はなんのためにあるのか。

結論から言うと、『憎悪』は人に行動の動機と活力を与える。
窮地を突破する最強の感情だ。

同じように行動を引き起こさせる強力な感情として、『怒り』がある。

瞬間的な出力では、怒りのほうが強いが、怒りは一瞬で燃え尽きる。

それに対して『憎悪』の特徴的な点は、以下の2つだ。
そして、それが現状を打破するための最強の武器となる理由だ。

  • 怒りと同じように人にエネルギーを供給するけれど、怒りとは異なり持続性がある
  • 怒りは理性と共存することが難しいが、憎悪は理性と共存して、エネルギーの使い方をコントロールできる

この特徴をみて、既に希望が見えてきた人もいると思う。

そう、憎悪を胸に宿したということは、使い道をコントロールできる持続的かつ強力なエネルギー源を搭載したということだ。それは、強力なエンジンを積み込んだようなものだ。
しかも、こいつには燃料の供給がほとんど必要ない。勝手に延々と燃え続ける。

強い感情には、相応のパワーがある。

この強力な感情は、使い方を誤らなければ、人を絶望の底から大空まで飛び立たせてくれるほどのパワーがある。

実際、僕自身がこの感情を原動力に、肉体も精神も病み、金もなく、終わりかけていた人生から復活した。
今、人生が好転したのは、確実にこの感情のおかげだ。

憎悪の正しい使い方

憎悪の感情は、とにかく炭のように延々と燃える。燃え続ける。

過去を思い出すたびに、その身を焦がすような不快感があるが、実はそれはいいことだ。
(その渦中にいる人からしたら、たまったものじゃないかもしれないが……)

不快感は、現状に不満があるからこそ湧いてくる。

不快ということは、自分が今の自分に、今の自分の状況に納得がいっていないということだ。

その不快感を、耐えることで凌ごうとするのは、先にも言ったが、感情の使い方を間違っている。

憎悪を自分の内側に留めるのは、強力なエネルギーを我が身で押し込めようとして、自身を傷つけることになる。

だから、憎悪に耐えているとどんどん精神が腐っていく。
座して死を待つのでなければ、行動せざるをえない。

憎悪の正しい使い方は、感情が湧き上がったら、そのエネルギーを行動につなげることだ。

例えば、過去がフラッシュバックして叫びだしたくなったら、筋トレする。ランニングする。

だいたい過去のフラッシュバックは暇になった瞬間にやってくる。

集中してなにかに取り組んでいるときには、やってこないものだ。

とにかく憎悪によってエネルギーが供給されたら、それを行動に転換する。

仕事中でも、余暇の時間でも、それがやってきたら何らかの意味のある行動に転換する。

その他にも、意図的に憎悪を呼び起こす使い方もある。

例えば、ジムに行くのが面倒なとき、憎しみの対象に負けないように自分を奮い立たせる。
シンドいときに憎むべき敵に負けまいと、奮起する。
プレッシャーのかかる場面、闘わなければならない場面で、相手に憎悪の矛先を向けて意図的に攻撃性を発揮する。

「絶対に後悔させてやる。」

「かつての自分は雑魚だった。過去の自分を絶対に許さん。」

僕自身、その他にも、とても公言できないようなドス黒い感情を渦巻かせて、それを色々なことをするためのエネルギーとしてきた。

食事の制限がつらいときも、もう同じ思いをしないように。もう負けないように。

筋トレがめんどくさいときも、バーベルの最後あと一回を上げるときも、転職するときも、ブラック企業をやめるときの上長との交渉のときも……

いつまでも消えない炎が胸にあったからこそ、当時からは想像できないくらい、人生を改善することができた。

憎悪というダークフォース

憎悪という強力な武器は、憚られる感情のように思えるかもしれないけれど、他人の目に見えるものではない。

自分の内側に憎悪の感情がいくら渦巻いていようと、表向きは普通に暮らしていける。

だから、憎みたいのなら、どんどん憎んでいい。

感情が生まれるのは自然なことだ。

憎悪が大きくなっていくのなら、それだけ強力なエネルギーがあなたに必要だから、あなたの肉体が、精神が、それをあなたに授けているということだ。

ただ、あなたには、それを正しく活用する義務がある。

巨大な憎悪を抱えたとしても、無闇にそれを他人に向けてはいけない。

憎悪はいわば、ダークフォースだ。

正しく使えば強力な武器になるが、使い方を誤れば自分の身を焼き尽くす。

ダークサイドに堕ちないように、自分で正しくコントロールする必要がある。

「大いなる力には大いなる責任が伴う。」というやつだ。

理不尽に憎悪に至るだけのツラい体験を味わったのかもしれない。

あなたに非がないことで酷い目にあったのかもしれない。

そうであったとしても、そこに至った経緯のどこかに自らの責任を見出し、他責ではなく、自責のマインドで生きていかなければならない。

他人に責任を転嫁したら成長は止まる。
自分にできることをやっていくしかない。

忌むべき相手に復讐を誓っても、道義に外れるような直接的な報復を行うのは論外だ。
それこそダークサイドに堕ち、自らを滅ぼすことになってしまう。

人の精神は常に凪いではいない。どうしようもなく憎い気持ちになるときもあるだろう。
そういう時も憎しみを力に変えて、自らを奮い立たせ前進する姿勢が大切だ。

憎悪すべきは、真に打ち倒すべき敵は、かつての自分自身だ。

これを忘れないでほしい。

自分に打ち克つべく、正しくこのダークフォースを使いこなすならば、確実にあなたは飛躍し、段違いの強さと魅力をもった人間になるだろう。

やがて、すべてを追い越したとき残るもの

いつの日か、このダークフォースの活用によって、かつての自分を調伏したとき、おそらく憎悪が自然に湧き上がることはなくなる。

あなたが絶望を乗り越え、次の段階へと成長すること。

それまでを支えることが、この感情の役割で、使命なんだ。

そうなったとき、身を焦がすような不快感をあれほど鬱陶しく思っていたのが嘘のように、最後に残るのは、ツラかった過去への感謝の気持ちになる。

そして、かつて程の熱量はないが、以前のように記憶を呼び起こせば、引き続き憎悪の力を借りることはできる。
それは、この先も生きていく上でも大きな武器になる。

今現在、憎悪の炎が燃えている人に伝えたい。

憎悪はあなたを苦しめるものではない。

当然だ。あなたの内から湧き上がるものが、あなたの敵であるはずがない。

憎悪もあなた自身だ。

自分の一面があなたの必要に応じて、協力しようと表れてきたんだ。

自分の憎悪と敵対することなく、その力を使って前進しよう。

これは予言だが、そうすれば、しらないうちに過去を振り切り、信じられないくらい遠くまで前進していることだろう。

その道のりの途中で、またはその先で会った際にはよろしく。

あなたの物語を聞かせてほしい。

それではまた。
今日も前進は続いていく。

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